スパーズからの電撃ハイジャック
(出展:fabrizioromano、433公式instagramより)
移籍市場終盤の衝撃的な展開が起こった。トッテナム・ホットスパーへの移籍が濃厚とされていたエベレチ・エゼが、土壇場でアーセナルにハイジャックされる形となったのだ。
以前からアーセナルのエゼ獲得への関心は報道されていたものの、直近の動向ではスパーズが獲得レースをリードしていた。エゼ自身もチャンピオンズリーグ出場権を持つクラブへの移籍を希望しており、ヨーロッパリーグ優勝によってCL出場権を獲得したスパーズからのオファーに前向きな姿勢を示していたと伝えられていた。
ハヴァーツの怪我が引き金に
状況を一変させたのは、アーセナルのカイ・ハヴァーツが前十字靭帯損傷という重傷を負ったことだった。この突然のアクシデントが、アーセナルのエゼ獲得への本格的な動きの引き金となったと考えられる。
直近の報道では「スパーズがエゼ獲得に近づいている」という内容がほとんどを占めていただけに、ファブリツィオ・ロマーノによる「エベレチ・エゼ、アーセナル Here We Go!」の報道は業界に衝撃を与えた。
エゼがアーセナルを選んだ理由
元アカデミー出身の愛着 エゼがアーセナルを選択した背景には、同クラブのアカデミー出身という過去がある。加えて、彼自身がアーセナルのファンであることも知られており、アーセナルからオファーがあれば迷わず同クラブを選ぶつもりだったと予想される。この選択は、純粋にサッカー的な条件だけでなく、感情的な結びつきが大きく影響したと言えるだろう。
スパーズの痛恨
(出展:fabrizioromano公式instagramより)
連続する獲得失敗 スパーズにとって、この結果は大きな痛手となった。ギブス・ホワイトの獲得も直前で破談となった上、エゼまでも土壇場で振られてしまったのだ。
契約の大枠は既に合意済みだったが、残りの細かい部分の調整に時間を要している隙に、アーセナルによるハイジャックを許してしまった。スパーズは昨季リーグ17位という厳しい状況からヨーロッパリーグを制覇し、CL出場権を獲得したことで今季は投資のフェーズに入っていたはずだった。
しかし、大型補強と呼べるのはモハメド・クドゥスのみという状況で、クルセフスキやマディソンといった主力選手が怪我を抱える中、この獲得失敗は由々しき事態と言える。
アーセナルの戦術的課題と可能性
(出展:Eberechi Eze公式instagramより)
左ウイングの過密状況 エゼのような既にプレミアリーグで実績を残している選手の獲得は素晴らしい補強だが、左ウイングのポジション争いは激化する。現在、マルティネッリ、昇給契約をしたトロサール、そして第1節で右ウイングではなく左で起用されたマドゥエケが存在する。
ギョケレシュがまだアーセナルの戦術に適応できていない現状を考慮すると、マルティネッリやトロサールを0トップとして起用するオプションも考えられる。上記の選手たちがそれぞれ左ウイングを主戦場とするだけに、起用法が注目される。
若手の成長機会への懸念 ウイングポジションの渋滞により、ヌワネリやダウマンといった若手選手の成長機会が限られる可能性も危惧される。
エゼのデータ分析とアーセナルへの適性
移籍金:推定6000万ユーロ
基本データ
- 国籍:イングランド
- 生年月日:1998年6月29日(27歳)
- 利き足:右足
- 背番号:未定
2024-25シーズンの成績
- 全コンペティション:43試合14ゴール11アシスト
戦術的価値 現在のアーセナルの左ウイングは調子が上がっておらず、エゼがファーストチョイスとなる可能性が高い。特にハヴァーツの怪我を考慮すると、メリーノのセンターフォワード起用も検討されるだろう。左ウイングだけでなくインサイドハーフもこなせるエゼの多様性は、戦術的に非常に価値がある。
停滞感打破への期待 今のアーセナルには「アーセナルらしくない」狭いスペースでも打開でき、違いを作れる選手が必要だった。エゼはまさにその要求に応える選手だ。
データで見るエゼの特徴
- ペナルティエリア外からのシュート数:昨季プレミアリーグ1位
- エリア外からのゴール数:リーグトップ3
右ウイングにはサカが一人でチャンスを作り出せるが、左サイドにはそのような存在がいなかった。エゼの加入により、この非対称性が解消される。
適応への期待 元アーセナルの選手であることから、チーム戦術への理解も早いと期待される。「得たトロフィーがパレス時代の2つが最後」と言われないような活躍を見せてほしい。
結論
(出展:Eberechi Eze公式instagramより)
この移籍はアーセナルに素晴らしい結果をもたらすと考える。エゼの持つ個人技と決定力、そしてクラブへの愛着が、アーセナルの新たな章を彩ることになるだろう。タクティカルな観点からも、戦力の底上げという観点からも、この獲得は大きな意味を持つ移籍となりそうだ。