待望のストライカー獲得でアーセナルに新たな希望
アーセナルが長年抱え続けてきたストライカー問題。ついにその解決策として、スポルティング・リスボンからビクトル・ギョケレシュ(Viktor Einar Gyökeres)の獲得を発表した。27歳のスウェーデン代表FWは、果たしてアーセナルを優勝に導く”ラストピース”となることができるのだろうか。
ギョケレシュのプロフィールと圧倒的な実績
基本情報
- 生年月日:1998年6月4日(27歳)
- 身長:189cm
- 国籍:スウェーデン
- 利き足:右足
- 市場価格:7500万ユーロ
スポルティングでの驚異的な成績
- 2023-24シーズン:33試合29ゴール9アシスト
- 2024-25シーズン:33試合39ゴール8アシスト(全コンペティション52試合54ゴール)
- 2024年最多スコアラー:63試合62ゴール
この数字を見れば一目瞭然だが、ギョケレシュは現在ヨーロッパで最もホットなストライカーの一人だ。苦労人として知られる遅咲きの選手が、ついに花を咲かせた瞬間と言えるだろう。
アーセナルの深刻なストライカー不足
今シーズンのアーセナルを象徴する数字がある。なんと、リーグ戦で2桁得点を記録した選手が0人なのだ。最多得点者のカイ・ハヴァーツでさえ9ゴールに留まっている。リーグ2位の順位にありながら2桁得点選手が0人というのは極めて異例で、これがアーセナルの限界を物語っている。
この状況こそが、ギョケレシュ獲得の必然性を示している。待望のストライカー獲得により、アーセナルのリーグ制覇はより現実的なものになったと言えるだろう。
ギョケレシュがもたらす新たな可能性
従来とは異なるプレースタイル
ギョケレシュの最大の魅力は、前シーズンまでトップで起用されていたハヴァーツやメリーノとは全く異なるプレースタイルにある。アルテタ監督がギョケレシュの特性を理解し、適切に起用できれば、アーセナルの優勝可能性は飛躍的に向上するはずだ。
重要なのは、ハヴァーツやメリーノと同じ起用法ではなく、ギョケレシュに特化した戦術を構築することだ。
ポゼッション戦術の新たな武器
アーセナルはポゼッション重視の戦術を採用しているが、時として停滞感が生まれがちだった。ギョケレシュはそうした膠着状態からもゴールをこじ開けられる選手として期待されている。
ウーデゴールなどの中盤からの一発のスルーパスから得点機会を生み出すという、今までに少ない得点パターンの創出が可能になるだろう。
ギアチェンジ要因としての役割
アーセナルは良くも悪くも自分たちのペースを崩さないチームだが、なかなか得点できない場面では、そのペースを破壊してでもゴールを決められる選手が必要だった。ギョケレシュはまさにその役割を担える存在だ。
スピーディーな展開を増やし、アーセナルの弱点である瞬間的爆発力に火をつけてくれる存在として、強引に決めて流れを変える個の力を持っている。引き分けの多いアーセナルにとって、真のキーマンになれる可能性を秘めている。
3年連続2位からの脱却
「アーセナルの選手っぽくない」ギョケレシュだからこそ、逆に今のアーセナルの3年連続2位という壁を破る可能性がある。既存の枠組みにとらわれない存在が、チームに新たな風をもたらすかもしれない。
懸念材料と課題
プレミアリーグ適応への不安
最大の懸念は、ポルトガルリーグからプレミアリーグへの適応だ。強度の非常に高いプレミアリーグで、果たして同様の活躍ができるのだろうか。
実は、ギョケレシュには過去にブライトンでプレーした経験がある。しかし、その時は期待されたほどの活躍はできなかった。一度プレミアリーグで失敗している過去があるだけに、今回の移籍には大きな意味がある。
戦術的な適合性
ギョケレシュの特性を考えると、広いスペースを活用するカウンター的な戦術では力を発揮しやすいが、ボールを持つポゼッション戦術での活躍には疑問符が付く。
さらに、ヘディングが苦手なギョケレシュにとって、アーセナルのクロス戦術は適さない。実際、今シーズンの39ゴールのうち、ヘディングゴールは0だった。アルテタ監督は絶対にハヴァーツと同じ起用法をしてはいけない。
セットプレーでの貢献度
ニコラ・ジョバー直伝のセットプレー戦術において、ヘディングが苦手なギョケレシュがどこまで関われるかも課題の一つだ。
最悪の事態を回避する保険
幸い、ギョケレシュがプレミアリーグに適応できず、アーセナルにフィットしなくても、ハヴァーツやメリーノ、ジェズスという選択肢が残されている。これにより最悪の事態は避けられるだろう。
背水の陣での挑戦
ギョケレシュは背水の陣を敷いてアーセナルにやってきた。27歳という年齢を考えれば、これが彼にとって最大のチャンスかもしれない。攻撃はもちろん、守備面でも必死に頑張ってくれるはずだ。
まとめ
ギョケレシュの獲得は、アーセナルにとって大きな賭けであると同時に、大きなチャンスでもある。アルテタ監督の采配次第で、長年の夢である優勝が現実のものとなる可能性が高まった。
果たして、この27歳のスウェーデン人ストライカーが、アーセナルの長年の問題を解決し、チームを頂点へ導くことができるのか。今後の動向から目が離せない。