
バルセロナって有名なサッカーチームだよね?でもどのくらいすごいの?



世界で最も有名なサッカークラブの一つだよ



へー!で、2024-25シーズンって何がすごかったの?



実は前のシーズンまではあまり調子が良くなかったんだ。でも新しい監督が来て、生まれ変わったんだよ!



監督が変わるだけでそんなに変わるの?



それが今日話したいことなんだ。一緒に見てみよう!
はじめに:圧倒的な数字が物語る黄金シーズン
2024-25シーズン、FCバルセロナは完璧に近いシーズンを送った。リーグ戦38試合で28勝4分6敗という圧倒的な成績でラ・リーガを制覇し、コパ・デル・レイ、スペイン・スーパーカップも獲得して国内3冠を達成。さらにチャンピオンズリーグではベスト4まで進出し、何よりもエル・クラシコではレアル・マドリードとの4戦全勝という歴史的偉業を成し遂げた。
その立役者となったのが、今夏に就任したハンジ・フリック監督だ。バイエルン・ミュンヘンで多くの偉業を達成した名将は、わずか1シーズンでバルセロナに新たな魂を吹き込んだ。本稿では、この飛躍の要因をシャビ時代との比較を中心に、戦術面・選手面から徹底分析する。
第1章:シャビ時代からフリック時代への戦術的革命
シャビ時代(2021-2024):堅実性重視の限界
元キャプテンのシャビは、バルセロナの伝統的な戦術的遺産を現代サッカーに適応させようと試みた。メッシ後の再建期にあって、堅実性を重視したアプローチは一定の成果を上げ、2022-23シーズンにはラ・リーガ優勝も果たした。しかし、攻撃面での決定力不足と欧州での競争力不足が課題として残った。
シャビ時代の特徴:
- ポゼッション重視の継続(平均65%前後)
- 守備の安定化を最優先
- 若手選手の積極的起用開始
- 攻撃面での創造性不足
- 比較的保守的なディフェンスライン
- リーグ戦:2023-24シーズン2位(85得点・44失点)
フリック時代(2024-25):攻守両面での革命
フリック監督は就任当初から「私は、バルサがクライフやグアルディオラの下で成功したプレーのアイデンから遠く離れてはいない」と語りつつも、「ピッチで常にアクティブなチームをつくること」を目標に掲げた。シャビ時代との最大の違いは、守備時の積極性と攻撃時の直接性にある。
フリック時代の革新点:
- 超高いディフェンスライン(欧州一のオフサイドトラップ成功率)
- 縦への速攻重視(シャビ時代の横パス重視から転換)
- 若手とベテランの完璧な融合
- 攻撃的プレッシング(ゲーゲンプレスの独自解釈)
- リーグ戦:28勝4分6敗という圧倒的成績
第2章:フリック戦術の革新性
高いディフェンスラインの衝撃
フリック下でのバルセロナの守備アプローチは高い守備ラインが特徴で、バルセロナは試合ごとに相手をオフサイドにする回数が最も多いヨーロッパのチームとなった。これは従来のバルセロナにはない特徴だ。
技術的分析:
- VARの時代に最適化されたオフサイドトラップ
- ディフェンダーはボールを持つ選手の動きに集中し続け、相手選手がラインの裏にパスを出す位置にいる場合、バルセロナのディフェンダーはそれを予測し、必要に応じて迅速に後退できるように身体を位置付ける
- 最新のエル・クラシコではムバッペが再三オフサイドにかかり、この試合でのオフサイドの合計が8回



オフサイドトラップって何?難しそう…



簡単に言うと、守備の選手たちが一斉に前に出て、相手の選手を『オフサイド』にする作戦だよ。
フリック戦術におけるCB選択の論理
フリック監督の興味深い選択の一つが、フィジカルモンスターでビーストタイプのアラウホではなく、イニゴ・マルティネスをレギュラーCBに据えたことだ。この選択には、フリック戦術の根幹となる要求が関係している。
フリック戦術でCBに求められる要素:
- 高精度のビルドアップ参加:後方からの長短パスによる攻撃起点創出
- 高いライン維持での判断力:オフサイドトラップ成功のための瞬間的判断
- ポジショナルプレーへの理解:バルセロナの戦術システムに必要な空間認識
アラウホの身体能力とデュエル勝利率は魅力的だが、フリック戦術ではCBがビルドアップの起点となることが絶対条件となる。特に左足から繰り出される精確なロングパスによる展開力は、フリック・バルサの高速カウンターと縦の速さを支える不可欠な要素だ。
この戦術的要求に対して、アラウホよりもマルティネスの方が適任と判断されたのが起用の理由である。フリック監督にとって、個人のフィジカル能力よりもチーム戦術への適合性が重視された結果と言える。



「なんでセンターバックにパスが上手い人が必要なの?守るのが仕事じゃないの?



いい質問だね!現代サッカーでは守備の選手から攻撃の組立てをするんだ。特にバルセロナでは後ろからの正確なパスで攻撃を始めることが多いからね
中央飽和攻撃の威力
フリック・バルセロナの新しい色、バイエルン時代とは異なる「中央飽和攻撃」が大きな特徴となっている。今までだとボールを持った時に、足元、足元へとつないで、あまり怖さがなかったが、フリック新監督になって変わったのは、縦の速さだ。
第3章:若手選手の台頭が生んだ化学反応
ラミン・ヤマル:17歳の天才が切り開く未来
17歳のラミン・ヤマルが2024年コパ・トロフィー(若手版バロンドール)を受賞したことは、その才能を世界が認めた証拠だ。ラミン・ヤマルは、単なる”将来有望な若手”ではない。すでに「現在」のスターであり、バルセロナのエースとしてピッチに立ち続けている。
ヤマルの戦術的価値:
- プレーの随所に見られる「選択肢の多さ」と「冷静な判断力」は、ただの技巧派ウインガーではなく、”知的な司令塔型のアタッカー”
- エル・クラシコでは最年少得点を記録
- 2025年4月、バルセロナはヤマルとの契約を2031年まで延長。契約解除金は10億ユーロに設定



17歳でそんなにすごいの?高校生だよね?



そうなんだ!君たちと変わらない年齢で世界最高峰のサッカーをしているんだよ。
パウ・クバルシ:もう一人の17歳の才能
パウ・クバルシがコパ・トロフィーで5位にランクインするなど、同世代の才能も光る。
クバルシの最大の強みは情報処理能力が高く即座に判断し最適な行動をとれることです。最終ラインからのパスの付け所もピカイチで首がよく振れてロックをしっかりでき、裏ケアもできるこれからとても楽しみな選手の一人です。
そんな選手がバルセロナのカンテラから何人も出てきている。ラミン・ヤマル、パウ・クバルシを筆頭に、ジェラール・マルティン、マルク・カサード、フェルミン・ロペス、ガビ、アレッハンドロ・バルデらがクラブの育成力を象徴するような活躍を見せている。
第4章:ベテラン選手の復活劇
ラフィーニャの爆発的覚醒
32歳のブラジル人ウィンガー、ラフィーニャが今シーズン大ブレイクを果たしている。シャビ時代には放出候補とされていたラフィーニャと、売却候補かと思われていたレヴァンドフスキが、新指揮官のもとで見事な復活を遂げた。
フリック戦術では、レヴァンドフスキがフォルスナインの役割でボールを受けるために下がる動きを導入し、相手を引き付けてウイングのために深さのスペースを作る。通常はラフィーニャがその役割を果たしている。
ペドリの健康体での復帰
長らく怪我に悩まされてきたペドリが、今シーズンは比較的安定した出場を続けている。ペドリは次元が違った。彼だけのタイミングで相手の逆をとるのだが、それを連続して行える状態を維持できていることが、チーム力向上に大きく寄与している。
第5章:戦術的進化の詳細分析
ゲーゲンプレスの導入
フリックはゲーゲンプレスという異世界文化を持ち込んで、ちょっとずつなじませている。しかし、バルサの守備は、闇雲にカオスを引き起こすのではなく、マークを見定めて相手に持たせてプレスを仕掛け、ロングボールを蹴らせて回収する。だからドイツ流のゲーゲンプレスとは仕組みや方向性が全く異なるのが特徴だ。
第6章:数字で見る飛躍の実態
攻撃面での劇的改善
- リーグ戦成績:38試合28勝4分6敗(勝率73.7%)
- タイトル獲得:国内3冠(ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、スペイン・スーパーカップ)
- エル・クラシコ:レアル・マドリードとの4戦全勝
- 若手の貢献:ヤマルが今季18ゴール21アシストを記録
- チャンピオンズリーグ:ベスト4進出



エル・クラシコ4戦全勝って、レアル・マドリードに一度も負けなかったってこと?かっこいい!
守備面での革新
- オフサイドトラップ:相手をオフサイドにする回数が最も多いヨーロッパのチーム
- 高いライン成功率:エル・クラシコでの8回のオフサイド誘発など
第7章:今後の課題と展望
経験値の蓄積が鍵
インテルとバルセロナ、両者にあったのは経験の差が、チャンピオンズリーグ準決勝での敗退要因として指摘されている。バルセロナが最後にビッグイヤーを掲げたのは、2015年だ。その時、ヤマルは7歳だった。そのヤマルが、いま、バルセロナを背負って立とうとしている。
持続可能性への挑戦
17歳の選手にここまで頼るチーム構造にはリスクもあるが、それでもヤマルはそれを背負い、応えてきた。フリック新体制では、彼を「使い倒す」のではなく、「彼を活かすためのチーム構築」が求められている。
結論:完璧に近いシーズンが示した新時代バルセロナの完成形
ハンジ・フリックが就任して1シーズンで、バルセロナは歴史的な成功を収めた。リーグ戦38試合28勝4分6敗でラ・リーガを制覇し、国内3冠(ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、スペイン・スーパーカップ)を達成。チャンピオンズリーグでもベスト4まで進出した。
何より象徴的だったのは、エル・クラシコでの完全勝利だ。レアル・マドリードとの4戦すべてに勝利したことは、フリック・バルサの圧倒的な強さを物語っている。シャビ時代の堅実性とフリック時代の革新性が融合し、真の意味での新時代バルセロナが完成した。
17歳の天才ヤマルを中心とした若手の台頭、ベテラン選手の復活、そして革新的な戦術の融合が生み出したこの新生バルセロナ。2024-25シーズンは、クラブ史に永遠に刻まれる黄金の1年となった。そして、これは新たな黄金時代の始まりに過ぎないのかもしれない。



バルセロナってこんなに強いチームだったんだね!今度試合を見てみたくなった!



ヤマルが活躍していつかバロンドールを獲るのをみてみたいな!